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映画・アニメ

アニメ『ぶらどらぶ』を見て洞察力を磨く

今回はアニメ『ぶらどらぶ』の登場人物を六星占術で分析してみたいと思います。

【注意】

  • アニメ『ぶらどらぶ』のネタバレを含みます。
  • 六星占術の簡単な知識があった方が楽しめると思います。

なぜ『ぶらどらぶ』を見たのか

 

引用元:『ぶらどらぶ』公式サイトの「STORY」より

© 2020押井守/いちごアニメーション

何となく主人公の顔が気に入り、アイコンをクリックして視聴しました。

あれよあれよという内に4話ぐらい見ました。

「何かいい」という感じがしました。

大まかにストーリーを述べますと、次の3人を中心としたドタバタ高校生活という感じです。

  • 高校生の主人公:貢(みつぐ)
  • 吸血鬼の美少女:マイ
  • 貢の高校の保健医:血比呂(ちひろ)

このアニメの総監督が『うる星やつら(劇場版)』の監督であったこともあり、『うる星やつら』に似たドタバタコメディという感じがします。

最近のアニメにはない「勢いみたいなもの」と「主人公の感じの良さ」を感じた私は、このアニメの原作者を調べてみました。

すると、押井守総監督が原作・脚本もされていました。

六星占術による分析

貢(みつぐ)は何星人か

 

引用元:『ぶらどらぶ』公式サイトの「STORY」より

© 2020押井守/いちごアニメーション

例によって、押井総監督を六星占術で調べてみたところ、押井総監督は金星人(-)でした。

金星人を特徴づけるキーワードとしては以下のものが挙げられているようです:

せっかち、行動力抜群、じっとしていることは苦手、思い立ったら即行動、スピーディー、自由人、自由奔放、天真爛漫、束縛されるのが嫌い、誰とでも打ち解けやすい、コミュニケーション能力が高い、場を和ませるムードメーカー、相手の気持ちを察して行動する、周りに人が居なくても平気、友達がいなくても寂しくない、勘が鋭い、先行きを読むのが得意、頭が切れる、合理的、無駄が嫌い、要領が良い、古い価値観に囚われない、独創的な発想力をもつ、アイディアが豊富、センスが良い、流行に敏感、おしゃれ、ファッションに興味がある、美的な感性が鋭い、好奇心旺盛、チャレンジ精神旺盛、慎重さがない、深く考えない、反省しない、地道な努力は苦手、警戒心がない、肝心な所でポカをすることがあるので信頼性は低い、最終的な詰めが甘い、家庭に落ち着かない、好きになったら相手に飛びつく、気持ちが長続きしない、飽きっぽい、明るく前向き、過去を引きずらない、落ち込む時間が短い、ユーモアがある、強運の持ち主、子供っぽく純粋、社交的、裏方には向いていない、注目を浴びるのが好き、仕切りたがり屋、グループなどのまとめ役。

押井総監督が金星人ということで、主人公貢のあの感じの良さは、金星人の性格によるものだと勝手に納得しました。

貢は金星人の性格がよく表れていると思います。

例えば、

  • 美少女マイに出会って直ぐに好きになってしまったり
  • 周りに人が居なくても平気だったり(貢が一人でお弁当を食べている場面あり)
  • 貢だけカッコイイ靴を履いていたり
  • 好奇心旺盛で行動力があったり(血比呂の過去を調べようと学校に忍び込む)
  • 切り替えが早かったり(血比呂に連続ビンタされても落ち込まない)
  • 思考がただ漏れだったり(金星人の中には思ったことを口にしてしまう人もいるようです)
  • オープニングでドラムを担当していたり(有名ドラマーには金星人が多い)

特に、貢がマイと会話する時は、金星人の繊細な気遣いが垣間見られると思います。

ゆえに、金星人に興味がある方には、貢の行動や思考は色々と勉強になると思います。

一般的に、六星占術の6星人の中でも、金星人の方ははっきりと特徴が表に出やすいので、日常生活においても金星人の方を見つけ易いと思います。

ちなみに、押井監督が過去に手掛けたアニメ『御先祖様万々歳! 』では、主人公(犬丸)が金星人かどうか判別が難しいです。主人公よりも主人公の母親(多美子)に金星人ぽさが現れているような気がします。

マイは何星人か

 

引用元:『ぶらどらぶ』公式サイトの「STORY」より

© 2020押井守/いちごアニメーション

それではマイは何星人でしょうか。

金星人の貢が好きになる人物なので、六星占術の相性の知識を使うと、

  • 土星人か
  • 天王星人か
  • 火星人

ということになると思います。

マイは

  • マイペースだったり
  • セクシーだったり
  • 吸血鬼なのに人間を従属させることを嫌ったり
  • 継母と喧嘩して家出したり
  • 父親に継母と別れるようわがまま言ったり
  • 貢の言うことには素直に従ったり

しているので、火星人ぽいところもあるような気もしますが、人見知りしないので天王星人の可能性も捨て切れないところです。

そこで、まず火星人を特徴づけるキーワードを再確認してみます:

人見知り、恥ずかしがり屋、警戒心が強い、秘密主義、本心を語らない、何を考えているのか分からず謎が多い、天然で不思議なタイプ、人から誤解されやすい性格、マイペース、自分のポリシーがある、変わり者、世間知らず、子供っぽい面もある、気分屋、感性で行動する、わがまま、人に信用されにくい、セクシーな魅力がある、本質を鋭く見抜く、芸術的センスが高い、感受性が強い、繊細、メンタルが弱い、傷付きやすい、心配性、パーソナルスペースがとても広い、逆境に弱い、寂しがり屋、フレンドリーな性格、自分が認めた人には心を開き従順、裏切りなどがあると傷ついてスパっと縁を切ってしまう、図々しい人には壁を作る傾向がある、友達が少ない、反骨精神が旺盛、愚痴っぽい、協調性に欠ける、組織や集団行動が苦手、周囲のことに干渉しない、干渉や束縛が嫌い、一人で思った時に思った事を進めるのが好き、ハマり易い、一つの事をとことん追究する、中途半端な事を嫌う性格、納得いくまで行動をする、興味がある事と興味がない事がハッキリしている、欲しいものは手に入れる、物欲が強い、浪費や衝動買いが多い、アイディアマン、頭の回転が速い、目下の人に縁が薄い、周囲の人から援助を受ける強運の持ち主、自分からは告白しない。

次に、天王星人を特徴づけるキーワードを再確認してみます:

楽観的で前向き、寛容、根が優しい、争い事が嫌い、感情や人情を優先する、寂しがり屋、人から嫌われたくないという気持ちが強い、八方美人、優柔不断、決断力がない、物事を先延ばしにする、ルールや時間にルーズ、管理が苦手、計画性がない、事なかれ主義、現実主義的、現実的に話を進めていく、結果を重視する、論より証拠、したたかで計算高い、贈り物は高価な物が好き、品物を贈って気持ちを伝える、逆境やピンチに強い、気持ちの切り替えが早い、嫌なことは直ぐに忘れる、些細なことは気にしない、環境の変化に素早く対応する、頑固一徹、一度決めたらどこまでも突き進んでしまう頑固さがある、思い立ったら即行動、仕事では妥協しない、好奇心旺盛、出会った人から色々なことを吸収して成長していく、勉強家、人と関わるのが大好き、コミュニケーション能力が高い、初対面の人と打ち解けるのが得意、人に囲まれていることで安心しイキイキする、さりげない心配りができる、人付き合いを大切にする、友達が多い、周囲にいつも人が集まって来る、協調性がある、人懐っこい笑顔が印象的、シャイな面もある、大勢で居ると疲れるので一人で居る時間も好き、世渡り上手、人に頼るのが上手い、頼まれたら断れない、困っている人を見過ごせない、恋愛好き、浮気性、スリルを楽しむ、波乱万丈の人生に憧れる、夢が見つかるまで職を転々とする、ケチ、短気、我がままな言動が目につくこともある、家庭運に恵まれている、家族とのコミュニケーションを大切にする。

マイは設定上吸血鬼の外国人なので、自ずと普通ではないところ(変わったところ)があったり、ミステリアスなところがあったり、セクシーなところがあります。

この設定上の性質と火星人の特徴を混同すると正しい判断ができなくなると思います。

ただそれでも、マイには

  • 過去のことを語りたがらないところ(秘密主義)があったり
  • 学園祭の演劇では緊張のあまり貧血で倒れてしまうところ(メンタルが弱い)があったり
  • 継母に精神的ストレスを感じているところ(メンタルが弱い)があったり

するので、火星人ぽいところがあると思います。

しかし、やはり火星人にしては人見知りもせず、団体行動がうますぎる感じがします。「まぁ、アニメですからね」と言ってしまえば、それまでですが。

貢がいなくなったとしたら

例えば、マイの絶対の保護者である貢がいなくなったとしたら、マイはどのような行動に出るでしょうか。

その行動を見れば、マイが火星人なのかそれとも天王星人なのかを判断できるような気がします。

貢がいなくても、みんなと仲良く過ごせるなら、天王星人である可能性が高いです。

気になるセリフ

最後に、気になるセリフをご紹介しておきます。

第2話で貢がマイに抱き付き夜間飛行した時の貢のセリフ:「何だか安心する」。

このセリフは貢が貢の母親とマイを重ね合わせているかのようなセリフであり、興味深いです。

第5話で貢の父親が貢に言い残したセリフ:「この友情決して実らぬ」。

吸血鬼と人間がうまくやって行ける訳がないという父親からのメッセージです。

血比呂(ちひろ)は何星人か

 

引用元:『ぶらどらぶ』公式サイトの「STORY」より

© 2020押井守/いちごアニメーション

次に、保健医であり血液学者の血比呂は何星人か考えてみます。

血比呂は大人で知的な雰囲気がありとてもセクシーです。

一方で、ドタバタコメディには欠かせないキャラクター(ドタバタを引き起こしたり焚き付ける役)で、個性的な方言は作品全体に豪快で明朗なリズムを与えます。また、貢の良き相談相手です。

時折、物思いにふけることがあり、この作品に何とも言えない「味わい」を与えています。

最初は、血比呂が何星人か分からなかったのですが、第8話で血比呂の恋愛が明らかにされ、金星人の可能性が高いと思いました。

血比呂の恋愛は、さまに「好きになったら相手に飛びつく」タイプであり、好きになった相手も天王星人タイプ(浮気性)が多いような感じでした。

金星人の傾向

金星人には「目下の人に厳しく、目上の人に優しい」という傾向があるようです。

確かに、血比呂には貢や空手部部員に連続ビンタを浴びせるなど厳しいところがあります。

一方で、第11話で登場する民宿の老婆には「お婆殿」と丁寧な呼び方をします。もちろん、血比呂が「お婆殿」にツッコミを入れることはありません。

ちなみに、貢は血比呂を先生というよりは友達かのように振る舞うことがたまにあります。

金星人と科学

金星人は体を動かすことが好きな人が多いので、金星人にスポーツ好きが多いことは容易に予測できますが、金星人には数学や科学が好きな人も多いような気がします。

金星人は合理的に考えるところがあったり好奇心が旺盛だったりするので、数学や科学が好きな人が多いのかもしれません。

未知の部分がたくさんあるマイに対して、血比呂は簡単な検証をしてマイの特性を明らかにしようとします。

ちなみに、血比呂の話が長いという特徴は、金星人の特徴ではないと思います。

なお、金星人にはゲーム好きな人が多い気もします。

サブキャラクターたちは何星人か

 

引用元:『ぶらどらぶ』公式サイトの「STORY」より

© 2020押井守/いちごアニメーション

最後に、サブキャラクターたちが何星人か考えてみたいと思います。

仁子

一番分かり易いのは、墨田仁子だと思います。

仁子はカタブツで融通の利かない風紀委員ということなので、木星人だと思います。

仁子は貢の天敵らしいです。実際に、木星人と金星人はあまり相性が良くないようです。

金星人は思ったことをどんどん行動に移そうとしますが、規律やルールを重んじる木星人は金星人の行き過ぎた行動の良いストッパー役になることが多いようです。

那美

ダンス部の雲天那美は、何にでも首をつっこむ好奇心旺盛な人物ということですが、これだけでは判断が難しいところですが、大雑把で現実的ということなので、天王星人かもしれません。

しかし、第11話の合宿では集団行動中に単独行動することがあったので、典型的な天王星人ではないような気がします。さらに、天王星人にしては人間好きな面も薄く、他者をうまく利用することもあるので、水星人かもしれません。

カオル

コスプレ同好会の紺野カオルは、オタクで天真爛漫な人物ということですが、変人キャラという扱いのようですので(B型=変人との認識のようです)、火星人でしょうか。

しかし、変人キャラだからと言って侮(あなど)ってはいけません。カオルの提案や意見が採用されることが以外に多いのです。例えば、「悪魔の城ドラキュラ」の提案や激安ツアーサイトの提示など。アイディアマンである火星人の特徴が現れていると捉えることも可能だと思います。

マキ

映画研究会の渡部マキは、自らの映像作品作りに燃える人物ということで、押井総監督の姿を反映させた人物のようです。という事は、マキは金星人なのでしょうか?

マキにはやや高圧的なところや利己的なところがあり、ヘビのような顔つきで貢の弱みにグイグイ食い込んで行く冷徹さもあるので、水星人ぽい感じがしますが、決め手はありません。

勝野

空手部部長の勝野真澄は、典型的な体育会系タイプで部員達に厳しいので、金星人かもしれません。

ただ、金星人にしては利己的なところが強すぎる気もします。

この作品は単なるドタバタコメディなのか

この作品に何を見出すかは、各視聴者それぞれだと思いますが、

路頭に迷ってしまった変わり者の少女が、

変わり者に理解があり献身的な貢に運よく保護され、

愉快な仲間たちとドタバタしながら新たな人生を歩み始めて行く物語と捉えると、

単なるドタバタコメディではなく文学的テーマすら見えて来るような気がします。

社会が急激に変化し、経済状況も良くないこのご時世においては、一度人生の選択を間違えただけで、誰でも負のスパイラルにはまってしまう危険性も高く、さらに、集団行動・集団規律を重んじる日本においては、少し普通と違ったところがあるだけで、非常に生きにくい人生を歩むことになりかねない状況にあります。

このような時代だからこそ、この物語は現実味があり「男気あふれる味わい」をもつのだと思います。