今回は、陰陽五行の「五行の意味」を「人の身体」と対応付けて導き出したいと思います。
陰陽五行と身体の関係
陰陽五行の「五行」(=木・火・土・金・水)には「身体の部位」や「身体機能」が次のように関連付けられています(紐付けられています)。
木= 肝臓、目 、脳神経系、頭、メンタル、精神病、睡眠.
火= 心臓、舌、目、血液系、循環器系(血液)、精神の安定性.
土= 胃 、口、鼻、消化器系、皮膚、脂肪.
金= 肺 、鼻、喉、呼吸器系、大腸、免疫系(免疫の過剰反応)、骨、腰.
水= 腎臓、耳 、泌尿器系、生殖器系、循環器系(ホルモン,体液,血液)、冷え性.
ただ、これはあくまでも陰陽五行論に基づいた解釈(対応付け)であり、現代医学的な根拠がある訳ではありませんので、ご注意下さい。
しかしながら、東洋医学(漢方や中医学)の分野では、これらの対応付け(紐付け)が現在でも重視されています。
また、目は「木」に関わるとする場合と「火」に関わるとする場合があるようです。
「火」は光を意味し、目は光を感知し、視覚情報を処理する器官なので、目は「火」の部位であると言うことのようです。
一方で、現代医学的には肝臓と目に関連性があるため、肝臓である「木」に目が対応付けらるのは医学的にも妥当性があるようです。
また、鼻も「土」に関わるとする場合と「金」に関わるとする場合があるようです。
鼻が「土」に関わる場合、鼻の嗅覚の機能が関わって来るようです。医学的にも、胃と臭覚には関連があるようですが、強い関連性という訳ではないようです。
五行の本質的な意味を探る
五行の身体的意味から人の気質に関する五行の本質的な意味を抽出してみたいと思います。
なお、前回の記事で、木と火は「陽」に分類され、金と水は「陰」に分類されることを紹介しました。
そして、「陽」には上半身、「陰」には下半身という意味があるそうです。
確かに、上述のように、木と火は上半身の身体機能が関連付けられ、金と水には下半身の身体機能が関連付けられています。
さらに、興味深いことに、例えば四柱推命の命式(八字)に「火」が多い人は、「火」に関わる病気になることがあります。または、「火」が剋す「金」の病気になることがあります。
もちろん、絶対的なものではありませんが、的中率は比較的高いようです。
木のキーワード
「肝臓」というキーワードから人の気質に関してどのようなことが連想されるのか、AI(Gemini1.5Pro)に聞いてみました。
私:あなたは肝臓という言葉から人間の気質を連想できますか。
AI:(中略)
1. 決断力と行動力:
肝臓は「将軍の官」とも呼ばれ、決断力や行動力、勇気を司るとされています。「肝が据わっている」という言葉があるように、肝臓が強いと、物事に動じず、大胆に行動できるというイメージがあります。
2. 情緒や怒り:
肝臓は怒りの感情とも関連付けられています。肝臓に負担がかかると、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなると考えられています。「短気は損気」という言葉も、肝臓の働きと関連付けて解釈することができます。
3. 計画性と柔軟性:
肝臓は「疏泄(そせつ)」という働きをもち、気の流れをスムーズにすることで、心身のバランスを保つとされています。このことから、肝臓が健やかであれば、物事をスムーズに進める計画性や、変化に柔軟に対応できるしなやかさを持ち合わせていると連想できます。
4. ストレスへの強さ:
現代社会において、肝臓はストレスの影響を受けやすい臓器とされています。ストレスに強い人、つまり肝臓が強い人は、困難な状況にも耐え抜き、乗り越える力を持っているとイメージできます。
3はややこじつけの様な気がしますが、全体的に「木」の本質的な気質を捉えている気がします。AIの回答をキーワード化しますと、
木={決断力、行動力、勇気、大胆、情緒、感情、計画性、柔軟性、ストレスを受け易い、忍耐力}
となります。
私が「木」の性質に関して四柱推命の書籍やYouTubeなどで研究した結果、「木」の気質を表す本質的なキーワードは次のようなものではないかと思われます。
木={ 生命力、躍動(うごめき)、成長、発展性、上昇志向、目標、実直真面目、
メンタル、言語能力、情緒性、情に流され易い、人情、人間味・人間臭さ、
「思いやりと非情」、「優しさと厳しさ」、上下関係、
柔軟性、調和性、共感力、絆、仲間意識、感覚派、気分、気まぐれ、
創造性、思い付き、閃き、新しい物好き、若々しい、快楽、だらしなさ、繁殖 }
火のキーワード
「心臓」というキーワードから人の気質に関してどのようなことが連想されるのか、AI(Gemini1.5Pro)に聞いてみました。
私:あなたは心臓という言葉から人間の気質を連想できますか。
AI:(中略)
-
情熱的: 心臓は熱い血を全身に送り出すことから、情熱的な性格を連想させます。
-
勇敢: 困難な状況にも立ち向かう強い心を表す「心臓が強い」という表現のように、勇気や大胆さを連想させます。
-
優しい: 「心の優しい人」といった表現があるように、思いやりや共感力など、温かい心を連想させます。
-
正直: 「腹を割って話す」のように、本心や正直さを表す際に心臓が用いられることがあります。
-
傷つきやすい: 「心を痛める」といった表現のように、繊細で傷つきやすい一面も連想させます。
-
ロマンチスト: 愛情や恋心は心臓と強く結びついており、ロマンチストな性格を連想させることがあります。
-
エネルギッシュ: 生命力の源である心臓は、活動的でエネルギッシュな気質を連想させます。
「火」に「傷つきやすい」や「ロマンチスト」というキーワードが現れるのは興味深いです。
私が「火」の性質に関して四柱推命の書籍やYouTubeなどで研究した結果、「火」の気質を表す本質的なキーワードは次のようなものではないかと思われます。
火={ 頂点、君臨、絶対、権威、原理主義(=経験よりも原理・法則・真理を重視)、
トップダウン型、美学、宗教、縦社会(上下関係)、原理・法則・真理の適応(波及)、
爆発力(短気、感情的、心臓=ポンプなど)、集中力、活発(情熱的、積極的、活動的)、
周囲を活性化(影響力、魅力、刺激、1点からの拡大・拡散)、創造性、移り気、飽き性 }
土のキーワード
「胃」というキーワードから人の気質に関してどのようなことが連想されるのか、AI(Gemini1.5Pro)に聞いてみました。
私:あなたは胃という言葉から人間の気質を連想できますか。
AI:(中略)
-
「度胸が据わっている」: 動じない様子を「肝が据わっている」と言いますが、これは肝臓と同様に胃も重要な臓器として捉えられていた名残です。
-
「胃袋をつかむ」: 人の心を掴むことを、食欲を満たすことで心を満たすことに例えています。
-
「胃が小さい」: 少しのことでもくよくよする、神経質な性格を表す際に使われます。
-
「ストレスで胃が痛い」: 胃はストレスの影響を受けやすい臓器であることから、精神的な負担を抱え込みやすい、繊細な性格を表すこともあります。
興味深い回答ではありますが、「土」の本質的気質を表してるようにはあまり思えないです。「動じない」というのは、良いキーワードかもしれません。
私が「土」の性質に関して四柱推命の書籍やYouTubeなどで研究した結果、「土」の気質を表す本質的なキーワードは次のようなものではないかと思われます。
土={ (信念の)不変・不動、恒常性(一定の状態に保つ)、調節・調整、安定感、
保持、保存、バランス(中庸)、柔和、マイペース、信頼・信用、現実的、
集める・守る・育てる、複雑、記憶、中央、全体、器、要 }
なお、胃には、食べた物を一時的に貯蔵し、それらを消化酵素で分解し、分解物を十二指腸に送り出す働きがあります。
金のキーワード
「腸」というキーワードから人の気質に関してどのようなことが連想されるのか、AI(Gemini1.5Pro)に聞いてみました。
私:あなたは腸という言葉から人間の気質を連想できますか。
AI:
-
直感力: 「腸が鳴る」は、本能的な反応や直感を表す表現として使われます。「腹の虫が治まらない」なども、理屈ではなく感情的な葛藤を表す際に使われます。
-
決断力: 「腹を括る」は、覚悟を決めて決断することを意味します。これは、重要な決断は頭だけでなく、本能的な感覚に従うことも重要であるという考え方を示唆していると言えるでしょう。
-
柔軟性: 腸は複雑な形状をしており、様々なものを受け入れて消化します。このことから、「腸が太い」は、心が広く、度量の大きい人物を表す表現として使われます。
-
繊細さ: ストレスや緊張によってお腹が痛くなるように、腸は精神状態に影響を受けやすい臓器です。そのため、「腸が弱い」は、感受性が強く、傷つきやすい繊細な性格を表すこともあります。
AIの回答は、なかなか本質的な「金」の気質を挙げているように思えます。
確かに、「辛」には「感受性が強く、傷つきやすい繊細な面がある」とされています。
私が「金」の性質に関して四柱推命の書籍やYouTubeなどで研究した結果、「金」の気質を表す本質的なキーワードは次のようなものではないかと思われます。
金={ 正義、美意識、攻撃性(斬る、裁く)、番人(守り、防御)、判断力(果断可決)、
記憶、瞬発力、観察力・分析力、加工(技術系)、
経験主義(理論や定説よりも経験を重視)、ボトムアップ型、
クール、冷徹さ、残忍性、過剰反応 }
なお、「金」の本質的気質は、腸の免疫細胞の働きにあると私は思っています(以前の記事ご参照)。
腸の免疫細胞は、異物(病原菌)かどうかを素早く選別し、攻撃するかどうか判断します。
ゆえに、「金」には観察力・分析力があると推測されます。経験主義的なのだと思います。
また、免疫細胞は、過去に侵入したことのある異物を記憶しているので、「金」は記憶に関わっていると推測されます。
免疫細胞と共生している腸内細菌が「土」もしくは「火」に対応するものなのかもしれません。
水のキーワード
「腎臓」というキーワードから人の気質に関してどのようなことが連想されるのか、AI(Gemini1.5Pro)に聞いてみました。
私:あなたは腎臓という言葉から人間の気質を連想できますか。
AI:(中略)
1. 冷静沈着でバランス感覚に優れる:
腎臓は、体内のバランスを一定に保つ役割を担っています。これは、冷静沈着で、感情の起伏が少なく、常に安定した状態を保とうとする人を連想させます。周囲の状況をよく観察し、冷静に判断を下せるバランス感覚に優れた人が当てはまるでしょう。
2. 忍耐強く、浄化作用を持つ:
腎臓は、静かに、しかし着実に血液をろ過し、体内の老廃物を除去し続けます。これは、表舞台に出ることは少ないですが、縁の下の力持ちとして、物事を根気強くこなし、周囲に良い影響を与える忍耐強い人を思わせます。また、周囲のネガティブなものを浄化する、清らかさを感じさせる人も当てはまるでしょう。
3. ストレスをため込みやすい一面も:
腎臓は、過労やストレスの影響を受けやすい臓器として知られています。これは、責任感が強く、自分の限界を超えて頑張ってしまう傾向があるため、ストレスをため込みやすい人を連想させます。自分のペースで休息を取ることが大切なタイプと言えるでしょう。
AIの回答からは、あまり「水」の本質的気質を抽出することはできなそうです。
ただ、冷静沈着(=クール?)は「水」の性質なのかもしれません。
私が「水」の性質に関して四柱推命の書籍やYouTubeなどで研究した結果、「水」の気質を表す本質的なキーワードは次のようなものではないかと思われます。
水={ (感情・思考の)変化、適応力(柔軟性、順応性、環境適応)、
知的、研究心、探究心、情報伝達、冷静沈着(冷めている視点)、
特殊化(収斂=1点への収束、集約、特化、専門化、専用、こだわりの少なさ)、
公平な目線(対等な関係、平等な視点)、横社会(横の繋がりを重視) }
なお、「水」は内臓の最下部に対応していますが、腸内情報(神経伝達物質など)を脳へ伝える役割も果たしているのではないかと推測しています。
よって、「水」には、情報伝達という性質があるのではないかと考えています。
この性質がないと、木(脳)→火(口)→土(胃)→金(腸)→水(排泄)という直線的な流れになってしまい、水→木と円のように繋(つな)がらないことになってしまいます。
つまり、水(排泄)ではなく水(循環)とする必要があることになります。
おまけ
五行の意味を何となくイメージ化すると下図のような感じになるかもしれません。
火は陽の頂点で、表面的な虚体(剛)。
水は陰の頂点で、裏面的な虚体(柔)。 なぜ二面あるのか。
木は「火の拡大・拡散」を手伝う実体(柔を剛にする作用)。
金は「水の収斂・集約」を手伝う実体(剛を柔にする作用)。
土は中央・全体・器で、全てを調整・調節・保存するもの。