ヨーク研究所
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研究者のなり方

個人研究者、企業研究者、アカデミア研究者の比較

今回は3タイプの研究者を紹介します。

個人研究者

個人研究者(独立研究者、在野研究者、またはフリー研究者)は、企業や大学または公的研究機関に所属することなく、個人で研究活動をされている方です。

メリット・デメリット

メリット 個人の意思で研究活動が自由にできる.
デメリット 研究活動費を調達してこなければならない.

資格

基本的には、個人研究者になるには、お金(研究費 or 活動資金)があれば良いと思います。例えば、次のような方法でお金を得ることができるかもしれません。

  • 宝くじや株式投資
  • 親の遺産を相続する
  • クラウドファンディングや寄付
  • 自ら働く

個人研究者は、文系研究者や理系でしたら理論系の方がなり易いようですが、実験系の研究者の方もいらっしゃいます。

注意点

  • 無所属でも論文を投稿して発表することはできるようです。
  • 理論系の研究でも、関連する論文を読む必要が出てくることがありますが、Google Scholarを使うと無料で読める論文を見つけ易いです。
  • さらに、ResearchGateを使うと、原著論文の共有や著者への質問などを可能にし易いです。
  • 一方で、違法の学術論文共有サイトが問題になっています。

具体例

次に、具体的な個人研究者の紹介したいと思います。

  • 昭和天皇(生物学)や皇室の方々
  • 退職した大学教員
  • 特許局に務めていた頃のアルベルト・アインシュタイン

参考サイト

榎木英介, 『研究せずにはいられない~「貧困ポスドク」を救う「在野」研究という道』.

企業研究者

企業研究者は、企業に所属し、研究活動をされている方です。

メリット・デメリット

メリット 雇用が安定している.
研究費が準備されていることが多い.
デメリット 企業の利益につながらない研究はしにくい.
長期的プランで研究できることは少ない.

例えば、NTTの研究所のように企業でもかなり本格的な学術的研究をしている場合もあります。

資格

日本企業の場合、理系ならば、修士号の学位を求められることが多いですが、博士号は必要とされないことが多いです。

具体例

2019年にノーベル化学賞を受賞された旭化成の吉野彰さんはまさに企業研究者です。

吉野彰さんのように企業に入ってから博士号を取得される方(論文博士)もいます。

参考書

鎌谷朝之, 『企業研究者のための人生設計ガイド』,  講談社, 2020. 

アカデミア研究者

アカデミア研究者は、大学または公的研究機関に所属し、研究活動をされている方です。

メリット・デメリット

メリット 学術的研究ができる(各学問分野の発展に貢献するような研究ができる).
長期的プランで研究できる.
デメリット 雇用が不安定な時期が長く続くことも多い.
雇用が安定したポストの数が少ない.
研究費の獲得に多くの時間が割かれることが多い.

資格

理系の場合、博士号が必要なことが多いです。

なお、助教の募集では修士号でも良い場合があります。

具体例

  • 大学の教員(教授、准教授、講師、助教)
  • 産業技術総合研究所、理化学研究所、物質・材料研究機構などの研究員
  • 任期付き研究員(ポスドク、特任教授、特任准教授、など)

参考サイト

内村直之, 『平成の「科学研究」と「科学技術政策」のねじれた関係』.